甲斐山中・江戸
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甲斐の国山中に立寄て
行駒の麦に慰むやどり哉
卯月の末、庵に帰りて旅のつかれをはらすほどに、
夏衣いまだ虱をとりつくさず
現代語訳
甲斐の国の山中に立ち寄って、
私を乗せてきた甲斐の馬が、この宿で穂麦をご馳走になった。むしゃむしゃとよく食べている。それを見ていると私も心が慰められる。
卯月の末、深川の庵に帰ってた旅のつかれをはらしているうちに、
夏衣いまだ虱をとりつくさず
旅から帰ってきたら気が抜けてぼんやりしてしまった。旅の間着ていた夏衣を、虱も取らず、そのまま着て、毎日ぼんやりしている。
語句
◆甲斐…熱田から甲斐へのコースは三説ある。①木曽から甲斐へ出た。②東海道の蒲原から富士川をさかのぼり甲斐に出た。③伊豆の三島から御殿場から甲斐へ入った。
野ざらし紀行 地図4
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解説:左大臣光永