上総広常の遅参

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「平家追討に加勢せよ!」

石橋山の合戦で平家方に敗れた頼朝一行は
しばらく箱根権現に隠れていましたが、
真鶴から舟に乗り房総半島に渡ります。

途中、北条時政や三浦一族も合流し、
軍勢は300騎あまりにふくらみながら、
上総国府に至ります。

頼朝 上総~下総
頼朝 上総~下総

≫源頼朝篇の全音声(9回ぶん)はこちらからまとめてダウンロードできます。

上総国府についた頼朝は、房総半島に勢力をはる豪族、
千葉常胤・上総広常両名に書状を送ります。
平家に対抗するには彼らの強力が不可欠でした。


…私は法皇さまの院宣により平家追討に乗り出し、
すでに石橋山で平家方と刃を交えた。

上総・千葉もすぐに平家追討に加勢せよ!

頼朝が天下を治められるか否かは、
そなたらの加勢如何にかかっている!」

「平家追討に加勢せよ!」

「おお…佐殿が、生きておられたか!!」

書状を受け取った千葉常胤は三千騎を率いて杉浦というところで
頼朝と合流。頼朝を下総国府に案内し、
さまざまにもてなします。

「ここに大幕を百帖ばかり引き、白旗六七流れを
お立てください。
佐殿のもとにたくさんの味方が集まっていると見て、
たくさんの者が押しかけてきますぞ」

千葉常胤のすすめにしたがって大幕百帖、
白旗六七流れを立てると、そこかしこから、
我も、我もと集まってきました。

一方、上総広常は
1万6千騎を率いて遅れて頼朝のもとに参陣します。

しかし内心ではこう考えていました。

(はたして頼朝とはどれほどの男か。
武家の棟梁としての器量が無ければ、首をはねて平家に差し出してやる)

また1万6千騎もの大軍を率いての参陣ですから、
大喜びするだろうと踏んでいました。

下総の国府に到着した上総広常は
1万6千騎で参上した由を申し入れます。しかし
頼朝は土肥実平を遣わして、言いました。

「何度も催促したにも関わらずの遅参。
助殿はいたくご不審にお思いです。しばらく後陣にて 命令を待たれよ」

「後陣…!?」

上総広常は言葉をつまらせますが、おとなしく屋形へ
引き返しました。

「なんですかあの無礼な態度は!」
「1万6千騎の兵力は喉から手が出るほど
欲しいはずなのに…」

口々に言う郎党たちを制して、上総広常は言います。

「あの佐殿は必ず日本一の大将になろうぞ!
一万六千騎もの大軍で参上すれば、ふつうなら大喜びして 追従の一つも出るところ。それを我らの遅参を咎め、 後陣で命令を待てとは。なんたる威厳。 あれは必ず志をお遂げになる方じゃ。末頼もしい方じゃ」

こうして頼朝は房総半島の有力な
豪族たちを味方につけつつ、
一路、鎌倉を目指します。

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出足の遅い平家方

頼朝が伊豆で反乱を起こしたという知らせは、
9月5日福原に届きます。

清盛はどんな反応をしたか…
何しろ平治の乱は20年前の出来事です。

「頼朝?はて…そんな者がいたかろう」

最初はそんな感じだったかもしれません。

平維盛、忠教を大将軍に藤原忠清を侍大将にして
討伐軍が編成されます。

しかし危機感があるのか無いのか…
ずいぶん平家方の動きはノンビリしていました。

9月22日、維盛・忠教を大将軍とする討伐軍は
福原を出発し、まず京都へ入ります。

しかし京都に入ってからさらにグズグズします。

侍大将の藤原忠清が、「明日は吉日でない」「この日は縁起が悪い」
などと言ってもめたため、出発が遅れます。

たぶんですが、「久しぶりの京都だ」などと言って祇園あたりで
飲み歩いていたような気がします。

ようやく京都を出発し東国へ向かったのが9月29日です。

1180年(治承4年)9月 平家軍出発
【1180年(治承4年)9月 平家軍出発】

またこの年1180年(治承4年)は記録的な飢饉で食料の調達が
間に合いませんでした。よってロクな軍勢を集められず、
道すがら食料や兵卒をかき集めながら進んでいきました。

なので平家軍の士気はとても低いものでした……

次回、「頼朝の鎌倉入り」の予定です。

今回の音声をふくむ源平合戦の名場面を
解説したCD-ROM版を発売しています。

無料のサンプル音声もご用意していますので
ぜひ聴きにいらしてください。

≫はじめての平家物語~平清盛篇

≫はじめての平家物語~木曽義仲篇

≫はじめての平家物語~源平合戦篇



≫次章「頼朝の鎌倉入り」



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