南都焼き討ち

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わずか半年で福原遷都計画は挫折し、
安徳天皇、高倉上皇、後白河法皇以下、
平家一門公卿殿上人…
いっせいに京の都に引き上げてきました。

「くっ、わずか半年で!」
地団太を踏む清盛。

しかし平清盛、転んでもタダでは起きない人物です。

寺社勢力と平家

「福原への遷都はマズかった。それは認めよう。
だが京へ都を戻す以上、坊主どもは徹底して叩き潰しておかねばならん!」

もともと清盛が福原への遷都を
行なったのは比叡山、園城寺、興福寺、東大寺といった
寺社勢力を距離を置くためでした。

この時代の寺というのは、おだやかなモンじゃなかったです。
全国に広大な荘園を持ち、その荘園を守るために「僧兵」という
独自の武力を持っていました。絵巻物なんかによく出てくる、
あのナギナタ持ったやつですね。

特に比叡山延暦寺の僧兵は何かと無茶な要求を言っては、
神輿を振り上げて「強訴」といって都に乗り込んできました。
どんなに暴れまくっても、神さま仏さまのことですから、畏れ多いということで、
逆らうと罰が当たると信じられていました。誰も逆らえませんでした。

かつて絶対権力者として君臨した白河法皇も、私の思い通りにならない
ものが3つだけある。それはサイコロの目と鴨川の水と山法師だ
天下三代不如意と言ったのは有名な話ですね。

とにかく寺社勢力というのは厄介な存在だったわけです。

しかも
今回の以仁王の乱で園城寺は以仁王をかくまい、協力しました。

山本義経・柏木義兼の反乱

さらに、以仁王の乱終結後も不穏な動きがありました。

近江国で山本義経(やまもとよしつね)・柏木義兼(かしわぎよしかね)
という源氏が平家に反乱を起こします。
有名な九郎判官義経とは別人です。

交通の要所である琵琶湖をふさぎ、
北陸からの年貢が平家に届かないようにしました。

この山本義経・柏木義兼の反乱はすぐに平家軍によって鎮圧されますが、
この時園城寺と興福寺が手を貸していました。

「ぐぬぬ…なにかと平家に楯つきおって。
クソ坊主どももう許さん!
焼き討ちにしてくれる!!」

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園城寺焼き討ち

というわけで、

平家方は三井寺に討伐軍を差し向け、
以仁王に加担した三井寺を焼き討ちにします。

勢いのある文章です。焼けた建物の名前を列挙します。
たたみかけるようなリズムある言葉のむこうにゴーーと
すさまじい炎が見えてくるようです。

南都焼き討ち

ついで12月28日。
大将軍には清盛の五男重衡・副将軍には清盛の甥通盛4万騎が、
奈良興福寺に派遣されます。

京都から宇治を通って木津川沿いに南へ下り、奈良へ入ると、
興福寺方は奈良坂・般若寺二か所に陣をしき抵抗します。

南都焼き討ち
南都焼き討ち

ワーッワーッ!!

早朝からはじまった合戦は一日中続き、死屍累々。
そして夜に入って、
「火を放てッ!」大将軍の重衡が命じます。

松明の火を民家にかけるとメラメラ…
折からの風にあおられてゴーーー…ゴーーーー!!

炎は一気に広がり、寺寺に燃え移ります
ぎゃーうわあーと、深夜の奈良の町は大混乱となります。
奈良ですからね、鹿も必死で逃げて行ったと思います。
興福寺、東大寺の伽藍に炎は容赦なく燃え移り燃え移り、
扇を広げたるがごとく末広に燃え広がっていきます!

奈良の大仏として有名な、金銅十六丈の廬舎那仏、
熱で金属が溶け出してドローと滝のように流れ落ちます。

ワーッキャー、逃げ惑う人々。
「大仏殿の二階なら、あそこまでは火が来ないぞ。早く早く!!」

二千人あまりが階段をかけのぼって、はあ、はあ、とりあえず安心だ。
それ階段はずしといたほうがいいんじゃないか。
平家の連中が上ってくるぞ!ああそうだ、外しとこう
とか言ってるところへゴーーと炎が襲いかかり、
逃げる場所とて無く、阿鼻叫喚の地獄絵図となりました。

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灼熱、大灼熱、無間阿鼻の炎の底の罪人もこれには過ぎじとぞ見えし
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重衡がこの焼き討ちを故意に行ったのか、
またそこまではやる気でなかったのが、過失でやってしまったのか
今日でも諸説わかれますが…

とにかく、興福寺、東大寺、伝統のある仏教の聖地を
平家は燃やしてしまったわけです。

以後、仏敵ということで、平家は
ますます寺社勢力から憎まれることとなります。

≫続き 「小督」



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