十六夜日記

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十六夜日記」は鎌倉時代、阿仏尼という女流歌人によって書かれた紀行文・日記文学です。京都から鎌倉までの旅と、鎌倉滞在中の二部構成になっています。

どういう旅か?お母さんが、息子のためにがんばるんです。阿仏尼の夫藤原為家(ふじわらのためいえ)が亡くなり、阿仏尼の息子為相(ためすけ)が播磨国細川荘の土地を相続することになりました。

ところが阿仏尼は側室です。側室の子が相続するだと?許せん!ということで正妻の子、為氏(ためうじ)がなんやかんや言ってきます。ちょっと待て。親父がどう遺言したってその土地の権利は俺のもんだ。俺は嫡男だぞ、みたいに。

で、お母さんは立ち上がった。何言ってんのよあんた、私の息子に譲るって遺言で言ってるのに、もう決まったものをゴチャゴチャ言うんじゃないわよ。ハッ倒すわよと。まあ上品な尼さんですから、もっと上品に言ったと思いますけども。

で、そんなにゴネるなら裁判でハッキリさせましょうということで、鎌倉幕府に裁いてもらうため阿仏尼、単身京都から鎌倉へ向かうのです。60歳にして、息子のためにがんばるお母さん、パワフルです。

内容は鎌倉から京都への道中をつづった第一部と、鎌倉での滞在中のことを描く第二部にわかれます。

裁判しに行ったはずなのに裁判のことは全く描かれていません。むしろ道中の名所名所を華麗な文体でつづるのと鎌倉での歌のやり取りがメインになってます。風流さを前面に押し出しています。阿仏尼は歌人として有名だったのです。

裁判とか言いながら、けっこう旅そのものを楽しんでいたのかもしれませんね。

「十六夜日記」という題名は旅の出発が十六日だったためです。

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